1990年にダイバーなり、1993年ダイビングインストラクターになりました。今年でインストラクター歴が30周年です。パチパチバチ!!
長く続けたからといってちっとも偉くもないのですが、一つのことを長く続けられたことは誇りには思っています。
ずっと大事にしてきたことは、古きよきものは次の世代につないでいくこと。新しきよきものは積極的に取り入れること。そして既存のものと新しいものを精査して融合させることです。
そのためにずっと学び続けることが必要でした。だからこそ、情熱をもってひとつのことを続けられたのかもしれません。
いまのダイビング認定の基礎は50年くらい前から変わっていません。長く続く中で、『形骸化』してしまった習わしも多くあります。
難しいことを簡単に覚えるなら、マニュアル化はとても効率がよいです。ダイビング人口を増やすためには、素晴らしい方法でした。
講習を始める時は、マニュアル化して伝えることは効果的です。しかし同時にまた後追いでもよいので、どうして行うのか理由を考えることは必須だと思います。
例えば、講習生から、「なぜ、こんなことやるんですか?」と質問されたときに、その理由を正しく答えられていますか?
「コースディレクターや先輩にこうやれと言われたから」とか「指導団体の基準にあるから」と回答していないでしょうか。
もちろん、基準にあって無意味なものも中にはあるかもしれませんが、そのことを指導団体に質問したことはありますか?
一見、意味のないことにもなぜなのか考えたり、問い合わせたり、調べたりして、根拠となる答えは持っておくことが大事です。
では本題のインストラクターがダイバーを認定するということについてお話ししたいと思います。
インストラクターの方にむけてお伝えしている形ですが、ダイバーの方たちにも知っておいてほしいことでもあります。
お伝えしたいことは、[インストラクター評価] = [ダイバー自己評価] という状態が大切だと思っているということです。
認定とは、インストラクターが講習生を評価し、最低条件をクリアしたとインストラクターが判断して認定するものだと思っているインストラクターが多いように思います。
これでは一方通行ですね。
インストラクターの責任は、そのレベルの認定に対して、その講習生は達しているかどうかを見定めることですね。
例えば、オープンウォーターダイバーなら、講習(トレーニング)と同じ環境下で、同じ仲間とバディを組んで、安全に潜って帰って来れることが講習生たちで、達成できると思えるかどうかが評価の最終段階ですね。最低基準はその前提でしかないのではないでしょうか。
またインストラクターが一方的に評価して認定して修了というわけでもないと思います。
認定される講習生は、自己評価して、講習(トレーニング)と同じ環境下で、同じ仲間とバディを組んで、インストラクター無しでも安全に潜って帰って来れることができると実感できていることも必要だと思います。
インストラクターが正しい評価基準を持っていることを前提に、講習生の自己評価と一致している事を確認することも大切だと思います。
[インストラクター評価] = [ダイバー自己評価] が達成できて、晴れて認定となるものだと思います。
講習生の中には、十分なレベルなのに、自信が持てない人がいるでしょう。その場合は、インストラクターは達成できている事を説明して納得してもらうべきですね。それでも自信がもてないのであれば、しっかり話し合い、不安なところが浮き彫りになれば、追加トレーニングを行ったり、ダイビングに同行してあげてサポートしてあげて、補完してあげたりして、結果としてダイバーとして自信をもてた状態で認定し送り出してあげるべきですね。
また正反対で、あまりよい成果はでていないのに、私はできたと自信過剰な講習生も中にはいるかもしれません。その場合は、達成すべきことにフォーカスして、事実を認識してもらう必要がありますね。
これはまた骨の折れることかもしれないですが、水中で活動するダイビングの場合、根拠のない自信はとんだトラブルを招く可能性があるため、認定するインストラクターが真摯に向き合う必要があります。
一人では解決できないときは、認定してくれたインストラクタートレーナーやコースディレクターに相談してみてください。誰も相談できる方がいない場合は、私たちが運営しているSDI TDIではインストラクターやダイバー向けのオンライン相談会も行っていますので、そこに問い合わせしてもらうのもいいかもしれません。
SDI TDIインストラクターに同じ理念で認定をしてほしいので、SDI TDI JAPANでは、ダイバー書類をオリジナルで作成しています。またすべてのコースは完成していないですが、リストに従って講習生とインストラクターで書類を埋めていくことで、インストラクターと講習生が同意の元、ダイバー認定できるように考えています。SDITDIインストラクターのみなさんはご活用いただけたらうれしいです。