ダイビングインストラクターを目指す人へ

素晴らしいインストラクターになる

2011年 フロリダでインストラクタートレーナーワークショップ参加風景

――ダイバーに「続けてもらう」ことができる人

ダイビングインストラクターという仕事に、
どんなイメージを持っているでしょうか。

海が好き。
ダイビングが楽しい。
人に教えるのが好き。

どれも大切な動機です。
ただ、インストラクターという立場を考えるとき、
私はひとつだけ、いつも大切にしている定義があります。

インストラクターとは、
ダイバーにダイビングを「安全に、楽しく」
続けてもらうことができる人。

ダイバーがダイビングを続けられているという事実は、
偶然ではないと思っています。
それは、教える側が積み重ねてきた
判断の結果でもあると感じています。


続けられる、ということの意味

ダイバーがダイビングを「続けられている」という事実は、
偶然ではないと思っています。

ダイバーがダイビングを続けているということは、
安全に、そして楽しく潜れているということ。

怖さだけが残ってしまったり、
不安を抱えたままになってしまえば、
人はなかなか続けられません。

もちろん、続けるかどうかはダイバー本人の選択です。
ただ、その選択に大きく影響するのが、
最初に教えたインストラクターの存在だとも感じています。

だからこそ、
インストラクターには
「ダイビングの世界を広げる力」があると思っています。


褒めることと、安全を伝えること

教育の現場では、
褒めることの大切さがよく語られます。

それは間違いではありません。
褒められることで自信がつき、
前向きな気持ちになることも多いからです。

しかし一方で、
安全の観点で不足していることがあるなら、
必ず伝えなければならないとも思っています。

スキルが完成していない状態で
「よくできました」と言い切ってしまうことは、
結果的にその人を危険にさらす可能性があります。

大切なのは、
褒めることと、よりよくなるように伝えることの両立。

教育は、正解を与えることではなく、
正しく判断できる状態をつくることだと思っています。

そして、
どう伝えるかも含めて、
インストラクターに求められる「教育スキル」だと考えています。

安全のために、講習生との距離、位置はとても重要

インストラクターが背負う責任の順番

私がインストラクターとして
強く意識している責任には、順番があります。

第一に、安全。
トレーニング中のスキル取得中のダイバーの不完全な状態を想定し、
事故につながらないように補えること。

安全とは、
ルールを守ることそのものではなく、
状況に応じて立ち止まれる力だと感じています。

第二に、継続できる環境をつくること。
ダイバーが無理なく、安心して
ダイビングを続けられる土台を整えること。

第三に、業界を良くする一翼を担うこと。
次の世代につながる教育を残していくこと。

他にも大切なことはたくさんありますが、、


向いている人について

インストラクターに向いている人には、
いくつか共通点があるように感じています。

ひとつは、オープンマインドであること。

固定概念にとらわれず、
まずはフラットな気持ちで学べる人。

トレーナーの言うことを、
一度はそのまま試してみる。
そして、身につけたうえで、
自分なりの形に整えていける人。

成長が早い人ほど、
最初は「できない自分」をそのまま受け入れています。

「言うなりになる」という意味ではありません。
インストラクタートレーニングにおいては、
正解を持っている確率が高いのはトレーナー側です。

まず受け取り、試し、理解し、
その後に自分のスタイルを作っていく。
自らなぜなのか考え続ける姿勢を持つ人は、
時間をかけて大きく成長していきます。


危うさを感じる人

一方で、
インストラクターとして危うさを感じるのは、
責任感がない人です。

技術の上手さや経験年数の問題ではありません。
自分の判断が、
他人の安全に影響するという意識を
持てないことは、とても危険です。

これは、誰かを否定するためではなく、
事故や不幸を防ぐための線引きだと思っています。


若い世代へ、正直に伝えたいこと

正直に言うと、
インストラクターになる人は多いですが、
一生の仕事にできる人は多くありません。

遊びを仕事にすることには、
想像以上の難しさがあります。

簡単ではないからこそ、
自分の軸を持った人だけが残っていく仕事
なのだと思います。

それでも、
続けている人たちには共通点があります。

これで生きていくと覚悟を決めている。
人と海に向き合うことが好き。
仕事というより、生きがいになっている。

私は、一生の仕事にできるインストラクターが増えてほしいと願っていますが、
それと同時に、人生の中で、一度本気でインストラクターを経験することには、
十分すぎるほどの価値があると思っています。

実際、私の周りで
インストラクターとして成功し、
その後に別の道へ進んだ人たちは、
多くの分野で活躍しています。

また、SDIで行っているインストラクターコースでは、
ダイビングの本質を理解して、インストラクターとして
講習生に伝えるべき大切なことを自分の言葉で整理して
伝えるトレーニングに力を入れています。
大学生やビジネスマンの方が、インストラクターコースに参加した結果、
プレゼンがうまくなり、大学の教授や上司から、とても評価されたとか、
コミュニケーション能力も高くなり、予測する力や判断力も高まり、
より人生が楽しくなったと喜んでもらえることもよくあります。

人や自然といった、
不確かなものを相手に判断してきた経験は、
人生のあらゆる場面で生きるからだと思うのです。


最後に

人生は一度きりです。

何を選ぶかよりも、
どんな姿勢で向き合うかのほうが、
あとから効いてくることが多い
ように感じています。

もし、
ダイビングインストラクターになりたい
という気持ちが少しでもあるなら、
思い切ってチャレンジしてみてほしいと思います。

とても良い経験になりますし、
人生の中で大切なことを、
短い期間で学ぶことができるはずです。

この記事を読んで、次の一歩を考えたくなった方へ

この記事を読んで
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・プロ(インストラクター)としての道を検討している
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投稿者のプロフィール

株式会社インターナショナルトレーニング代表取締役DaisukeKato
ダイビング教育機関SDI TDI ERDI JAPANの代表を務めております。小さな頃から水の中への憧れが強く、潜水部のある大学に入学しダイビングを始めました。ダイビングを始めてみると、やはり最高に楽しくて、在学中にインストラクターを取得し、卒業後は尊敬するインストラクターの所属するダイブセンターに就職しました。5年の修行を積んで、ダイブセンターを創業しました。

これまで様々なコースで2000人以上の方にダイビング指導を行い、世界各地を引率してダイビングツアーを開催しました。またテクニカルダイビングに出会い、100m潜水や洞窟や沈没船のペネトレーション(内部侵入)やリブリーザーなど様々なダイビングを楽しんでいます。いまは指導団体SDITDIERDIの代表の仕事を中心にプロコースやテクニカルコースの担当もしています。2000年からダイビングショップの経営もしています。