テクニカルダイビングにおけるレクリエーショナルと探検の境界線

テクニカルダイビングと聞くと、
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深い
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難しい
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すごい人がやるもの
そんなイメージを持っている人も多いと思います。
でも実は、
テクニカルダイビングの中にも、はっきりとした「立ち位置の違い」があります。
それを理解しないまま先に進むと、
危険な勘違いをしてしまうことがあります。
まず大前提:TDIのテクニカルダイビングは「レクリエーショナル」
TDI(Technical Diving International)が教えているテクニカルダイビングは、
レクリエーショナルダイビングの一部です。
ざっくり分けると、こんな感じです。
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レクリエーショナルダイビング
├ 一般的なスポーツダイビング
└ テクニカルダイビング(TDI)
テクニカルダイビングは、
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減圧がある
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ガスを複数使う
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洞窟や沈船などの環境に入る
といった特徴がありますが、
「好き勝手に潜るダイビング」ではありません。
レクリエーショナルとしてのテクニカルダイビング
TDIのテクニカルダイビングには、
必ず「ルール」と「制限」があります。
例えば、
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深度には上限がある
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トレーニング内容が決まっている
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想定されていない環境では潜らない
上級レベルでも、
教育として扱う最大深度は 100mまで と決められています。
これは
「それ以上潜ってはいけない」という意味ではなく、
教育として、安全を管理できる範囲がここまで
という考え方です。
また、トレーニングでは、
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情報が整理されたダイブサイト
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すでに多くのダイバーが潜っている場所
で潜るのが基本です。
ここでは、
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インストラクター
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教育基準
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トレーニングの責任
がはっきりしています。
これが、
レクリエーショナルとしてのテクニカルダイビングです。
テクニカルダイビングの技術はどこから来たのか
テクニカルダイビングの考え方は、
もともと遊びから生まれたものではありません。
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職業潜水
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軍事潜水
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科学調査の潜水
こうした世界では昔から、
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失敗しても致命的にならない工夫
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チームでの役割分担
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手順を守ること
がとても重要でした。
TDIは、
そうしたノウハウを 一般のダイバーでも学べる形 に整理し、
教育として提供しています。
ここから先は「探検」の領域
では、どこからが探検なのか。
それは、
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教育で想定されていない深度
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情報がほとんどない場所
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マニュアル通りでは対応できない環境
こうした領域に入ったときです。
ここでは、
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インストラクターは答えをくれません
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教育機関も安全を保証しません
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正解はありません
自分たちで安全を考え、設計する必要があります。
同じテクニカルダイビングでも、
責任の重さがまったく変わります。
大事なのは「今、自分がどこにいるか」
若いダイバーに一番伝えたいのは、ここです。
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今は教育の中にいるのか
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それとも探検の領域に足を踏み入れているのか
これを自覚しないまま進むのは、
とても危険です。
探検はすばらしいことです。
でもそれは、
教育の延長線上に自然に行けるものではない
ということは、はっきり理解しておく必要があります。
次にテクニカルダイビングを始めたばかりの方にお伝えしたいのは、
経験不足で誰もどうなっているか知らない未知の領域に踏み込むことは、
とても大きなリスクを抱えて活動することになります。
まずは整備されたトラブルを想定しやすいダイブサイトでしっかりと経験を積んでほしいと願っています。
行きたい、はやる気持ちを抑えて、基礎をしっかりと整えて活動していきましょう。
最後に
テクニカルダイビングは、
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深く潜るための技術
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すごいことをするための資格
ではありません。
安全を自分で考える力を身につけるためのダイビングです。
まずは、
レクリエーショナルとして管理されたテクニカルダイビングの中で、
しっかり学び、経験を積むこと。
その先に、
探検という世界がある。
この順番を間違えないことが、
長く、自由にダイビングを続けるための一番の近道だと考えています。
この記事を読んで、次の一歩を考えたくなった方へ
この記事を読んで
・安全や教育について考えたい
・もっと上達したい
・プロ(インストラクター)としての道を検討している
・一緒に何かできるか話してみたい
そう感じた方は、気軽にご連絡ください。
内容が整理されていなくても大丈夫です。
状況に応じて、
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・プロジェクト・協業
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